70億の資産を持つ57才の元事業家で引退した事例

生い立ちと現在

学歴は地方の大学を卒業し、ある商社に勤務していました。農家の出身で、そんなに家柄が良いわけでもありません。

ちょっとしたきっかけで、ある電子機器の企業を同僚と設立することになり、同僚が技術を担当。この方が営業を担当することになりました。

そして、それから10年後、社員も増え、上場企業を目指そうということになりました。

そして、上場を目指すために、社内の改革をすすめて、7年後、無事上場をしました。

しかし、上場をするということは、資本家がみて、納得する経営陣をそろえないといけないということです。

結果的には、会社の持ち株は、そのままで、権限をもたない、会長に退き、あたらしく、業界で実績のある社長を迎え、上場を果たしました。

そして、その株式の公開で得た利益は、70億円です。

今は、会長職も辞め、都内の超高級住宅に、邸宅をかまえていますが、仕事がありません。

お金はたくさんあります。お酒、ギャンブル、高級車、夜遊びしても、使いきれません。

そこで、若いベンチャー企業を育てようと、投資家という仕事を試みましたが、毎年1億円以上損をしつづけました。

なぜ、そうなるのか?を聞いてみると、人を見る目がまったくないのです。

では、なぜ、人を見る目がないのか?というと、会社を上場するという体制にはいってからは、お客様のほうを向いて仕事をしなくなったからです。

証券会社、会計士、投資家 そういった、利益を出すことだけが、目的の人のほうを向いて、7年間仕事をしている間に、感覚が狂ってしまったようです。

社内の声、現場の声などを聞いていると、上場を果たせないのです。

錬金術のノウハウは身についたのかもしれませんが、ベンチャー企業を起業する猛者達からみれば、だましやすい投資家として映ったようです。

それで、結局は、お金目当ての人しか、寄ってこないことがわかり、投資家としての仕事も辞めてしまいました。

今は、何もすることがなくなったので、ぶらぶらと遊ぶしかないわけです。

子供は大学生です。こういう、「大金持ちのぷ〜太郎」のお父さんをみて、子供はどう思うでしょうか?

 

 

四柱推命で判断

 

建禄
建禄

 

教科書的に鑑定していくと、を求める人生だといえます。


1.日主の己に根がありますが、「癸」が強過ぎます。
  五行の水は、1干ですが、4支あり、しかも月齢を得ています。

2.「偏財」が非常に強い命式です。
  →商売、ビジネスをおいかける人生です。
   根が非常に多くあるので、その方向性に迷いはありません。

3.己癸丁と陰干ばかり並んでいるので、そんなに強さはありません。
  →財を、つかいこなすだけの我が身の強さは、ありません。

4.己は感情的でヒステリックになりやすい性格です。
  →思いこみ、勘違いで、人生の選択を誤ることがあります。

5.古典的にいえば、従財格になるほど、財の力は強いものです。
  内格だとすれば、身弱となります。
  しかし、30歳代、40歳代と、土の大運がめぐってきますので、我が身が強くなります。

このように古典的な方法で鑑定していくと、財をもとめ、ビジネスの世界で生きていく人だといえます。

 

 

ホロスコープで判断

 

 

ホロスコープの特徴をみていくと、土星が支配アスペクトです。

ですから、忍耐と困難の人生だということができます。

その土星が木星とアスペクトしているので、社会的な発展は、順調にはいかないことを示しています。

そして、木星は、土星より内側の太陽、月、水星、金星、火星、のいづれともアスペクトしていません。

天王星と冥王星とアスペクトしているので、ロマンチックな夢をビジネスで見ることを示しています。

120度と180度のアスペクトが多く、いわゆるキツイ作用のアスペクトが少ないので、人当たりが良く人気運はあります。

 

 

感想

さて、古典的な見方で鑑定をしていっても、この方の場合は、財を求める人生であることは間違いがないようです。

それで、問題は、ぶらぶらしている今の状態のままで、幸せを感じることができるのか?

それとも、ぶらぶらしている状態に、決別しないといけないのか? ということです。

70億の資産をもったことは成功でしょう。

しかし、ぶらぶら遊ぶのは、財星の強い人の生き方ではありません。

財とは、人を支配し、コントロールしていくことです。つまり、人間関係で密接なものがないと、財星は作用しないのです。

ぶらぶらと遊んで、それを幸福と感じるのは、印星の強い人です。

ですから、人を見る目がない現状から、脱出しなければ、なりません。そして、投資家として、成長しなければなりません。

そのためには、毎年1億円くらいの授業料を払って、ベンチャーの起業家にだまされることも、良い経験と割り切ることです。

毎年1億使って、10年間も、だまされつづけていれば、やがては、人を見る目も育ってくるでしょう。

つまり、70億のうち、10億〜20億くらいは、授業料として、捨てる覚悟でやってみることなのです。

そして、10年後、人を判断する心眼をもったときに、投資家として、また積極的に活動をしたら良いのです。

その授業料が、もったいないという気持ちがあり、今のままぶらぶらしているだけでは、この方を待っているのは、どうしようもない孤独感と、次々にやってくる、借金の依頼だけです。

 

お金の使い道

あなたは、お金が10億できたら何につかいますか?

この準備ができていないと、この方のように、お金をもったあと、苦労することになります。

お金は、投資されることを希望しています。

ですから、お金持ちの仕事は、投資をすることです。

若い人、ベンチャー企業、あなたの興味のある分野なら、なんでもよいでしょう。

そのときに、投資に値する人かどうかを、見極める心眼ができていないと、お金をもったあと、失敗します。

ですから、今のうちに、そういう目を持つように、準備をしておくことです。

その準備とは、何でも自分でやって、経験して、五感をとぎすませておくことです。

部下に仕事を任せきりでは、ダメです。

第一線で、現場で汗を流しながら、感覚ととぎすませておく必要があるのです。