占いでどこまで分かるか?    


1.黙って座ればピタリと当たるか?


一時、流行した言葉ですが、これは出生の時間を100%絶対的なものとした唯物的な発想です。人間は、環境の生き物です。良き母と良き父に恵まれた子供と、両親が離婚した家庭に育った子供ではその情緒の成長に大きな差があることは事実です。またどんなに、優秀な人材でも、会社に入ってから上司に恵まれない場合は、ある程度以上は伸びることはありません。人間は、色々な周囲の温かい支援や教育があってはじめて成長できるものです。こういった環境面を無視して、ただ黙って座ればピタリと当たるというのは、どうかと思います。ロシアで実際にあったことですが、オオカミに3歳まで育てられた子供は、その後保護され40代になってますが、その行動パターンはオオカミだということです。鉄が火によって精錬されて初めて鍛えられた金属になるように、人間も暖かい周囲の環境によって鍛えられて初めて成長できるという常識を忘れてはいけません。占いに凝りだすと、これらの常識を忘れる方が多いのが実状です。

2.一卵性双生児が同じ宿命なのか?


一卵性双生児は、同じ時刻に生まれ、DNA的にも同一です。しかしその性格は母親が驚くほど異なることが多いのが現実です。この理由を説明できる推命家は1人もいません。つまり、生まれた時間を100%絶対的なものとして考えることはできません。

3.誰がその人の宿命を決定するのか?


「受胎後21日目に神は霊を人間に与える」


これは、江戸時代に徳川家が使ったと言われる「天源」という運命学の教えで現在でもこの教えを実行し、推命学に役立てておられる方もいらっしゃいます。天源では受胎後21日目の日を基準に推命していきます。また「干支秘法」という現在でも使われているト占では、受胎直後の日で占うという方法が採用されています。こういった教えを考慮すると、神が受胎直後、または受胎して何日後かに、霊すなわち心の特性といったもの(つまり宿命)を人間に与えると考えた方がより理論的です。神が与えるものですから一卵性双生児の場合は、いわゆる”サジ加減”を加えることができるのです。つまり神が人間に霊を与える時のやり方、方法、法則性、方向性が運命学によってある程度、予測することができると理解するのが良いのではないかと思います。

4.独身者と家庭持ちは同列に論じられるか?


仕事面に限っていえば、独身でも結婚してもその運勢が大きく変わることはありません。しかし”結婚は最大の開運術”であるといわれるように、結婚して良き家庭(夫婦の仲が良い)を築いている人の場合は、短命と占い師に診断された人が長寿をまっとうしたり、反対に、夫婦の仲が悪い家庭しか築けなかった人は、長命のはずが短命になったりとする例はいくらでもあります。従って、家庭を持っている人は、まず鑑定する前に夫婦関係を聞いてみることが重要です。


経験的に言えば、独身者と家庭持ちは、同じ推命技術で運命を論じてはいけないような気がしておりますが、これらに関することはまだまだ研究中の段階です。

5.成績の悪い子が占いで開運できるか?


これも非常に常識論が問われる内容です。自分が小学生の頃、あるいは中学生の頃、どういった科目が不得意で、どういった科目が得意なのか思い出してみれば答は明らかなはずです。子供は先生との相性によってその科目が好きになったり、不得意になったりするものです。その子の才能以上に嫌いな先生が担当する科目などは絶対に成績が上がりません。従って、学校の先生と相性が悪い場合には、相性の良い家庭教師を雇うとか、相性が良いと思われる先生がいる塾に通わせてみるとかいった工夫が重要なのです。また今のテストはほとんどが要領です。勉強の仕方さえ、教えてあげれば成績は上がるはずです。


つまり、30点しか取れない子が70点を取れるようになるには、上記のような具体的な環境への対策が何よりも必要なのですが、70点から80点取れる子が95点取れるようになるには奇門遁甲などの術を使って、方位取りをするとか、家相の良い勉強部屋にするとかいったいわゆる実力以上の運を呼び寄せることが必要になります。

 

現在の運命学の位置づけ

1.運命学は発展途上の学問である


四柱推命の大運の取り方は、一般の書籍に掲載されている以外にも色々あります。高木乗派では9年運で見る方が多いようですし、泰山流でも、大運の始まりを日干からスタートさせる派もあります。また大運の計算を3で割るのではなく6で割って、男女の行運を順逆をなくすといった一派もあります。それぞれの考え方に理論があり、聞けば納得させられるものもあります。しかしその検証には1人を検証するだけでも60年はかかります。まして何十人もの人間を60年も観察しつづけて統計をとったという研究事例は今のところありません。到底1人の推命家でできる研究レベルではありません。そういった意味では、まだまだ発展途上の学問であるということができます。これは東洋の占星術に限ったことではなく、西洋占星術のホロスコープの年運の見方には、代表的なものだけでも数種類あるように、運命学は完成されたものではないということを始めに認識しておかなければなりません。

2.運命学と心理学


西洋では、ユングなどの心理学者が深層心理の研究として、西洋占星学(ホロスコープ)を取り入れるなど心理学者が運命学を研究するのは常識です。しかし東洋ではこういった例はあまりありません。


しかし犯罪心理学といった分野では「紫薇斗数推命」が研究されているようです。犯罪者の心理は、犯罪だけでなく、何をするにおいてもその心理、つまり動機が一定であることが多いからです。これは警察で取り調べを受けて調書を取られてみれば直ぐに理解できることです。調査官の質問は、なぜ?という質問ばかりです。なぜその大学を選択したのか?なぜその学部を選択したのか?なぜそのサークル活動をしたのか?なぜその会社を選んだのか?なぜ今の妻を選んだのか?なぜ今の車の車種を選んだのか?という具合です。


すなわち、調査官はその質問に対する回答から、全ての行動の奥底にある変化しない心理、動機を探っていくのです。その大変な作業を効率的にするものとして「紫薇斗数推命」が利用できるのです。つまりその人間の本当の姿、本質が「紫薇斗数推命」を利用することによってあらかじめ予測できるからです。