五行の象意

 姓名学では、「人」の五行でその人の性格や体質、病気などを診断します。「人」の五行は以下に説明するような内容になっていますが、この五行が「天」や「地」から剋されていると、その長所がでずに短所が出てしまったり、その体の部位が悪かったりします。

 例えば、人が木性で、天と地が金性だったりすると、天と地から人の木性が剋されるばかりですので、肝臓が悪い、伸びようと努力するがうまくいかないといった意味になります。また、なぜうまくいかないのか?という理由は、天は目上や社会運を意味しますので、目上や社会から押さえつけられて伸びきれないと解釈します。また、地は部下や目下や家庭を意味しますので、部下や目下から反目されて、または家庭の問題があって、伸びきれないというように解釈します。

天象 金
      金剋木
人象 木    ⇒この木が天と地より剋されている。    
      金剋木
地象 金


■木性


現象でいうと、雷、電気、気流、動きの激しいもの、噴火。
状態でいうと、飛ぶ、走る、進む、成長する、発明、感動する。
この伸びようとする木気の作用が精神面で働くと、成功への道、統率、心ざしが高い、積極的、研究心、創意工夫、要領主義、調子が良い、ほら吹き、怒りっぽい、でしゃばりという心理になる。
人体でいうと、足、肝臓、胆嚢、筋、爪、目。エネルギーの源の燃料です。

さらにこの木性が旺じている場合は、

・物事を積極的にやろうとする進取性がある、
・快活で小さいことを気にしない、
・結論をハッキリ出さないと済まない、
・正直にそして具体的にモノを言う、
・目下の人間を管理し育てる気持ちがある、
・本当は慈愛の心があり、仁義に厚い、
・決断する時は一刀両断、
・興奮して熱中しやすい、
・何でも新しいことをやってみたい、
・工夫が好き、

という心理が強くなります。その欠点が出てしまうと

・気が短く、ヒステリックになる、
・思考が独断的で感情の起伏で思考が変わってしまう、
・自尊心が強すぎて、素直に謝れない、
・自分が一番という気持ちがあり、結果的に不平不満が多い、
・実力以上に偉いと思ってしまい、威張る傾向がある、
・実力以上のことができるという妄想がある、
・決着をつけなくて良いことにも、決着をつけたくなる、
・感情的に嫌いな人に出会うと、是非に関係なく攻撃する

といったようになります。さらにこの木星が不及している場合は、

・すぐに怒り出し、神経がいらついている、
・口先だけはオオボラ吹きである、
・他人の考えを認めることができない傲慢さがある、
・他人には負けたくないという気持ちだけはあるが、努力はしない、
・やたらと、他人の言動を批判したがる、過干渉の傾向、
・自分が成功しないのは、他人のせい、社会のせいだと思う利己主義、

といったようになります。

 

■火性


現象でいうと、太陽、陽気、明かり。
状態でいうと、情熱的、明るい、腹にいつもつがない、戦いが上手、明知的である。
この全開状態の膨張作用の火気の作用が精神面で働くと、明朗な性格、気分が変わりやすい人、学者、洞察力に優れる、敵を作らずに人の上に立つ、お天気屋という心理になる。
人体でいうと、目、心臓、腹部、血管、頭。エネルギーが燃えている状態です。

さらにこの火性が旺じている場合は、

・明朗で華やかで表現力が豊かである、
・善悪の判断を直感的に正確に行う、
・正義を好み、汚名を嫌い、名誉を求める、
・熱い心を持ち、情熱的に語り人を引き付ける、
・気品を好み、下品や卑猥なことを嫌う上品さがある、
・礼節を重んじ、ルールを守るという遵法精神がある、
・物事の良し悪しを直感的に判断できる洞察力がある、
・簡単には人に心を見せない、警戒心がある、
・自分の身の安全を保守しつつも、社交を広げていく

という心理が強くなります。その欠点が出てしまうと

・気性が激しく、人につっかかっていく傾向がある(闘争的)、
・情熱的になるあまり、自己中心に陥りやすい、
・一時的に燃え上がり行動するが、継続しないことが多い、
・自分の好き嫌いという感情で、気に入らないと不機嫌になる、
・高慢ゆえに、実力以上に名声を好み派手に振舞う、
・競争心があり、他人と自分を比較して勝ちたいという気持ちが強い

といったようになります。

さらにこの火星が不及している場合は、
・全体的に風貌から受ける印象が貧弱、
・心は燃えていても、行動を開始する勇気がない、
・先々を心配し過ぎて、無気力になってしまう、
・なんとなく行きがかり上そうなってしまったということが多い、
・信念がないか、あっても継続性がないため、流されやすい、
・努力をしない割には、人から賛美され、評価されることを好む

といったようになります。


■土性

現象でいうと、新陳代謝、古いものから脱皮、衣替え、自然現象の異変。
状態でいうと、変化、腐食、停止、改革、整理、養育、消化、吸収。
この変化しようとする土気の作用が精神面で働くと、地味で真面目、素直で親切、努力家、お金に細かい、欲深い、忍耐強い、危機管理が上手、統率力がある、大器、粗野、服従できない、改革と整理が上手。自己中心になりやすい。横柄で他人を見下す傾向がある、迷いが多く決断力に欠けるという心理になる。
人体でいうと、消化器系統、腹、関節、肩、背中、腰。エネルギーの素材となるものです。
さらにこの土性が旺じている場合は、

・首が太く体格が良く、おいしい食事をすることが楽しみ、
・誠意をつくして、しかも思慮深く人と付き合う、
・自分より実力が上の人には、素直に屈服して従う心がある、
・真面目でコツコツとやっていく心
・外見は柔和だが、実務的で堅実でないことに対しては嫌う、
・時間をかけて、物事を慎重に進め人を育てながら行動したい心、
・自分よりも立場の弱い人に対しては、奉仕したい心、

という心理が強くなります。その欠点が出てしまうと

・自分だけの勝手な考えで突っ走ってしまう、
・楽をしたいという欲望が強すぎて、地道にやっていけない、
・目先の利益と欲に惑わされて、重要なものを失ってしまう、
・自分よりも実力のある人に甘えて自分は努力をしない、
・頭の中で損得を考え過ぎて、結局は決断できない、
・つきあいが少ししかない有名人を、さも自分の仲間のように吹聴する、

といったようになります。


さらにこの土星が不及している場合は、
・首が痩せていて肉付きが悪く胸も小さい、
・自分の考えばかりを主張して他人の意見を聞かない、
・実力は10しかないのに100あるように振舞う、
・迷いが多く、重要な時に決断できずにチャンスを逃す、
・小心者で、人の意見に左右され自分の信念に欠ける

といったようになります。


■金性

現象でいうと、冷却の気候、成熟する、固まる、収蔵させる。
状態でいうと、厳格、正確、剛気、完全主義、貴金属、機械、武道家、資本家、僧侶。
この加冷して閉じようとする金気の作用が精神面で働くと、勤勉で何よりも正確に物事をなす、奉仕的生活、聡明で冷静、活動的、気位が高い、目上に逆らう、自分の意見を押し通すという心理になる。
人体でいうと、頭、肺、大腸、脊髄、自律神経、坐骨神経、皮膚。エネルギーが燃えやすくするための酸素。

さらにこの金性が旺じている場合は、

・人の道に外れたことを嫌悪し、正義を重視した判断をする、
・仁義を大切にし、目上を敬い、目下に対し偉ぶらない庶民性、
・自分と家族、友人に対しては厳格である反面、見ず知らぬ人には寛大、
・精神世界に深い関心があり、なにかの創始者となりやすい、
・一度自分で納得したことは、脇見をふらず徹底してやっていく、
・物事の判断は、意外に冷静な直感性がありそれが正確である、
・ピンとくれば活動的で動き回ることを好む、
・人から細かく指示されることを嫌う、

という心理が強くなります。その欠点が出てしまうと

・権力をかさに着て、支配欲望が大きい、
・目上には逆らい、目下には抑圧する暴君的行為、
・自分の意見が絶対的だと信じ他人の意見を聞かない独断主義、
・頑固なまでに自分の意見を荒々しく押し通す粗暴さ、
・自分の考えを即刻実行したい気短さが極端に出る、
・直感だけで行動するので、緻密的な行動ができない、

といったようになります。さらにこの金星が不及している場合は、

・顔面と鼻が小さい傾向で声に迫力と活気がない、
・見知らぬ人の前で堂々と話すことができない、
・いつも目上への不満を口にし、目下をいじめる傾向、
・自分の戦略はないのに、他人に従うこともしない利己主義、
・人から命令調で言われると、感情をむき出しにする、
・体力がなく、気迫がなくても、自尊心だけはある

といったようになります。

 

■水性


現象でいうと、水滴、雲、雪、雨、川、海。
状態でいうと、下る、蒸発する、考える、冷やす、悩む、苦労する、病気になる。
この凝結と内燃しようとする水気の作用が精神面で働くと、知恵があり考えが深い、慎重、苦しんでいる人に対し、慈悲心がある、反面臆病、理屈っぽい、目上に逆らう、悪事をたくらむ、という心理になる。
人体でいうと、耳、鼻の穴、肛門、陰部、子宮、尿道、血液、腎臓、膀胱。エネルギーが循環するための、潤滑油。

さらにこの水性が旺じている場合は、

・頭部が大きく肉付きが良く声は低音である、
・戦略性に富み、企画、計画のない行動は一切しない、
・精神的に結ばれた人との団結力は強く、組織化が得意、
・本当は親愛性があり親睦を深めていくと良さが分かる、
・時系列の記憶力が豊かで考えはかなり深くて緻密である、
・素朴で自分を飾ることはしない、
・24時間周囲の変化に気を配る慎重さと繊細さがある、
・根気と継続性があり、途中で物事を放り出すのが嫌い、
・新しいことを創始し、それを拡大していく組織作りが得意、
・環境に応じて自分を七色に変化させていく柔軟性がある、
・機をみるに敏で1回だけのチャンスも見逃さない俊敏性、

という心理が強くなります。その欠点が出てしまうと

・頭脳的で頭は切れるが、その頭脳を実現する行動が伴わない、
・人を陥れることばかりを考えていて、人の裏をかく、
・人を利用することばかり考えていて自分は努力しない、
・表現が適切ではなく、誤解を受けやすい、
・同情心が優先してしまい、悪い人から利用されてしまう、
・親しい人だけに親睦的であるが、そうでない人には反逆的、
・理屈優先で、片寄った理屈をこねる、
・自分の欲望のためには、親でも子でも使う残忍さもある、
・自分の考え方を筋道を立てて押し通すが、やり方が強引、
・悪いことに知恵を使い、悪たくみを率先してやる、

というようになります。さらにこの水星が不及している場合は、

・温かみにかけるので、孤独になりやすく寂しい晩年、
・自分からは積極的に心を開くことをしない、
・24時間、戦略を練って先を心配しているので、気苦労が多い、
・コレと思うものが見つかるまでは浮浪の人生、

というようになります。