四柱推命というタイトルが書かれてある書籍は書店に氾濫している時代です。しかし、その内容は当社が見る限り30年前とほとんど変わっておらず、本質を無視したゲーム、エンターテイメント的なものと、原書の焼き直しのような書籍に2分類されているようです。これらの本を100冊読んでも、実際には、日常生活で使え、人生の指針を決定できるようにはならないでしょう。
ここでは、決して市販の書籍では書かれていないような内容で、就職、転職、リストラ対策にすぐに役立ちそうな内容を解説していきたいと思います。
能力診断で最も重要なのが、通変星の解釈です。教科書では、10通りの通変星があるのですが、ここでは、それを大きく5分類にします。
なぜならば、比肩と劫財は、同じ競争したいという心が起点になっています。傷官と食神は、でしゃばりたい、有名になりたいという心が起点になっています。正財と偏財は相手を支配したいという心が起点になっています。正官と偏官は、相手から管理されたいという心が起点になっています。印綬と偏印は、右脳的なアイデアが浮かぶ心が起点となっているからです。
比肩と劫財を「比劫」といい、傷官と食神を「食傷」といい、正財と偏財と「財」といい、正官と偏官を「官」といい、印綬と偏印を「印」とまとめて呼びます。
四柱推命でいうところの能力とは、同じ事象を見た場合の心の動き方、その傾向を通変星という四柱推命の言葉で表現したものです。(例)
ある保険の法人向け営業マンを例にとって説明していきましょう。
・色々な経営者と出会って話しができるのが楽しいという心があれば、その心は通変星でいうところの「印」の心です。
・営業実績をあげるためには法人ユーザーが一番という心があれば、その心は「財・官」の心です。
・あいつが、法人ユーザー開拓で実績あげているから私もという心があれば「比劫」の心です。
・業界初の最先端の保険システムだから、紹介したという心があれば、「食傷」の心です。また、人間とは、環境の生き物です。家庭環境や職場の環境によって成長する人もいれば、ダメになっていく人もいるのは、常識の範囲で考えても分かることです。ですから、その人の家庭環境を問診できない段階で能力判断は危険だということを認識して、四柱推命理論を使わないと、唯物的な運命学になってしまいます。
四柱推命理論にのめりこんでいくと、生年月日から得られるデータを絶対的なものとし過ぎるプロの鑑定士が多いことを注意点としてあげておきます。
それでは、具体的に、能力つまり、ここでいうところの通変星の作用が発揮されるために必要な家庭環境を説明してみましょう。・「印」の心とは、愛情、育む心、楽しい心。この能力が形成されるためには健全な母親の存在が必要です。陽気で明るい健全な母親が不在の家庭からは、この「印」の才能の正しい成長は期待できません。
・「財」の心とは、決断の心、家庭をコントロールする心、人の心をつかむ心です。この能力が形成されるためには健全な父親の存在が必要です。家庭の柱となって家族を指導することができる父親が不在の家庭からは、この「財」の才能の正しい成長は期待できません。
・「比劫」の心とは、兄弟の心、仲間の心、競争の心です。この能力が形成されるためには、健全な兄弟、友人の存在が必要です。ケンカできる仲間、何でも話し合える友人がいない環境では、この「比劫」の才能の正しい成長は期待できません。
・「官」の心とは、妻から見た尊敬できる夫、従うべき人間という尊敬心です。この能力が形成されるためには、健全な学校の先生、尊敬できる師の存在が必要です。尊敬できる夫、先生、師がいない環境では、この「官」の才能の正しい成長は期待できません。
・「食傷」の心は、自己表現の心。自己表現ができないような堅苦しい組織や環境では、この能力は形成されることはありません。