■性的異常者を診断する

この男性、５０代の後半ですが、ある大手の外資系の企業の管理職を退職したばかりです。
現在は、医療関係の雑誌に、原稿を書くライターをやっています。
大学も有名大学を卒業しており、同級生には、官僚になった人も多いと自慢していました。
フィリピンの看護婦、介護士を、日本側が、受け入れるように、政治的活動もしているという非常に立派なことを言っていました。

この男性には、成人した男の子の子供が２人います。
奥さんは、カルト教団に入っており、１０年間、夫婦の夜の営みはないそうです。
そういうわけで、１０年前から、フィリピンパブに、いりびたり、そこで働く２０代の若いタレントさんに結婚を申し込むこと数回。
しかし、ことごとく結婚資金だけを、だまし取られてしまいました。

それで、信頼できるフィリピンの女性を紹介してほしいということで、フィリピン日本友好協会を通して、お見合いに出発したわけです。

永遠の伴侶を見つけたい、貧困に苦しむ女性を、救えるなら、それが自分の生き甲斐になるという立派なことを言っていました。

しかし、現地で、お見合いした女性に対し、お見合い最中に、ことごとく性的交渉を迫ったのです。
なかには、２２〜２４才の処女も含まれていましたが、さすがに、冷たく拒否されました。
フィリピン女性は、日本人と結婚することに対し、あこがれと夢をもっていますが、乱暴な男性は、拒絶するのです。

さて、その日の夜から、騒動は、おきました。
夜の街に出かけていって、５〜６人の女性をホテルに連れ込み、同時に性的交渉をもったのです。
それが、１日で終わらず、４日間で、合計２０人くらいの、女性を連れ込んだようです。
さらに、その性的な行動の内容が、かなり異常だったらしく、女性側が泣き叫び、結局は警察に被害届けを出されてしまいました。
ホテル側からも、クレームがつき、ついには、ホテルを変更せざるを得なかったようです。

そのあとは、連絡が取れなくなってしまったので、今、どこで、何をしているのか？はわかりません。

さて、この男性がこのような状況に陥っていまった原因を、運命学で研究してみましょう。

　

■まず、ホロスコープを見ます。

１．アスペクトの６０度が非常に多いことがわかります。
　　これは、見た目には、柔軟で物腰が、柔らかいことを示しています。

２．星の並びをみますと、金星と土星が同じ場所にあります。

　　これは、愛情と恋愛に関して、忍耐と苦労がつきまとうことを暗示しています。

３．また、月と海王星が同じ場所にあります。

　これは、安定した家庭的情緒であるはずのものが、妄想的であり、幻想的であり、現実的ではないことを意味しています。

４．また、火星と天王星が同じ場所にあります。

　これは、破壊と闘志の精神が、改革的な行動に大きく作用することを示しています。

これらを総合すると、ホロスコープでは、恋愛に関しては、トラブルをかかえる傾向があり、安定した家庭生活は、得にくい傾向であることがわかります。しかし、これだで、この男性の異常さを、推測することは無理があります。

■次に、月の影響をみるため、宿曜経を見ます。

「氏宿」です。この宿は、昴星と同じく、自分が、神の代行者であるがごとにく、行動する性格です。

つまり、社会の柱になりたいという欲求が大きいのです。

政府に対し、フィリピン人の看護婦を受け入れるように活動しているとか、そういう立派なことをしたいという欲求は、この「氏宿」の特徴です。
しかし、この「氏宿」の人の特徴は、実力が、それに伴わない場合は、単なる「ほら吹き」で終わってしまうことが多いということです。

■次に、能力と価値観をみるために、四柱推命を見ます。

壬辛己　という天干の並びです。

壬は、知的思考、戦略的思考、性的欲求を示します。その壬が辛から、生じられ、さらに辛を洗う関係にありますので、辛は、非常に良い印綬となります。印綬は、学者の星ですから、ライターという職業は、天賦の才能がなせる技です。
ここまでは、すばらしい命式ですが、その辛が、己によって、汚されています。
つまり、これを、「汚玉の命」といって、きれいな玉が、泥で汚されている命式になります。
汚すのは、己の愛情、ねたみ、しっと、という感情です。
汚されるには、辛の、精神性のある学者的知恵です。
そして、汚された辛が、清水である壬を汚してしまいます。
これを、「汚土濁壬」の命といいます。

「汚玉の命」は、生涯を通じ、いつも作用するわけではありません。
生涯に、１回か２回だけ、ここぞ　というときに、作用し、人生を狂わすものです。

以上をまとめると次のようになります。

１．もともと、妄想的になりやすい性質。（海王星と月が合、印綬が汚れている）

　５０代後半の男性が、夜の水商売をしている２０代の女性と結婚して、幸福になれる可能性は、現実的には少ないでしょう。
　にもかかわらす、何度も、結婚を申し込み、毎回だまされています。
　何度もだまされる人は、正常な判断力がないからです。

２．もともと、プライドが高く、大きな仕事を成し遂げたい性質。（氏宿、冠帯）

　　外資系の会社で管理職をやっていたというプライドがあります。
　　年収も１５００万を超えていたので、当然です。
　　退職後も、大きな仕事をしたいという欲求があります。
　　しかし、実力は、それほどでもないので、不満が大きくなります。

　　わたくしは、この外資系の会社とサラリーマン時代取引きしていたので、この会社を良く知っています。

　　日本の官公庁に、深く入り込み、利益率の良い仕事を、簡単に受注できる会社ですから、
　　社員は、楽して高給を取れるのです。
　　そういう体質に染まってしまえば、実績を自分の実力だと勘違いするようになるのは、自然なことです。

　　奥さんのいろいろな要望や不満に耳をかさず、横柄な態度をとり続けたことが、奥さんがカルト教団に入った動機でしょう。

３．愛情や感情が災いすると、正常な判断ができなくなりやすい。（金星と土星が合、己→辛→壬）

　　占星学でみても、四柱推命でみても、これは同じ結果です。
　　ですから、いつも、感情に左右されない自分をつくっていかないとなりませんし、配偶者や友人には
　　冷静で感情におぼれない人がいいわけです。
　　

　　こういう自己の欠点や陥りやすい罠を知って、人生を生きていけば、大過はさけられるものです。
　　すくなくとも、一流大卒で、一流会社に入社して管理職をやり、高給をとったことは、
　　この男性の運命を良い方向には導いたことにはなりませんでした。
　　むしろ、それが、自己の欠点を増大させてしまったようです。


　　＊学歴至上主義、偏差値至上主義、成果主義、貨幣主義の社会で、欠点が、増大
　　　してしまた典型的な事例です。